その場所はまるで大正昭和初期から時が止まっているかのよう。
神田で90年近くつづく甘味処「竹むら」。
創業からの建物は東京都の歴史的建造物。
のれんをくぐり、引き戸を開けて中にはいると
高い天井のある空間に、座敷と椅子席。
椅子席に通され、揚げまんじゅうを注文。
桜の塩漬けが浮いたウェルカムティーの桜の香りを楽しんでいるうちに、
揚げまんじゅう2つと煎茶が出てきました。
熱々の揚げまんじゅう。
2つの饅頭は明るいきれいな揚げ色。
一口いただくと、
薄い衣はサクサクで、饅頭の生地はもっちり。
中のこしあんは熱々です。
甘さはほどよく。油もさっぱりとしています。
池波正太郎のエッセイ「散歩のとき何か食べたくなって」には、
お酒を飲んだあとに、竹むらの座敷に座って「粟せんざい」を食し、
「揚げまんじゅう」をおみやげに包んでもらっていた。とあります。
池波正太郎も愛した老舗「竹むら」。
あなたも鬼平犯科帳を片手に、座敷で揚げまんじゅうでもいかがですか?